一石三島の店

2012.01.08

近江の菓匠から、日本を代表する菓子商へ、「叶匠壽庵」が辿ってきた道筋、そこには近江商人独特の哲学が息衝いていて、倹約と利他の精神が常に流れ続けている。京都・洛東にあって、その閑静な景観で知られる「哲学の道」にある、この店の佇まいの控えめなこと。小さな流れの奥に建つ館は、うっかりすると見過ごしてしまいそうだ。自社の商品を並べる店の奥に立礼席があり、本格を目指しながらも気楽に、庭の眺めと共に、静かにお
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野趣溢れる山里の「摘草料理」

2012.01.08

「美山荘」はれっきとした日本旅館。本来は宿泊を目的として訪れるべきだが、今回はあえて昼餉だけにとどめる。それは翌朝早くに行きたいところが市中にあるからだ。無論、限られた席数だから予約は必須である。到着予定時刻も併せて知らせておくとよい。さて、ここでの食事、雅な京料理とは違って、野趣溢れる山里料理である。元々がすぐ傍にある「峰定寺」の宿坊であったのを、代々時間をかけて今のような旅人に向けた旅館に作り
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度量の広い男だけ……

2012.01.08

僕の知る限り、祇園というのは、そんなに軽い存在ではない。長く重い歴史を背負い、悲喜こもごもの暮らしを重ねていても、ひとたび座敷に上がれば、まるで後光が射すかのように艶やかに光り輝くのが祇園の女なのだ。言葉を矯正し、所作を学び、ありとあらゆる花街のしきたりに従う。それは修道院にも似たストイックな暮らしであり、かつ少なからぬ野心も持つ。だからこそ、他愛もない遊びに無垢な表情で興じることが出来るのだ。そ
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和食フリークの舌にも充分適う店

2012.01.07

「絶好のロケーション」というのは、この店のためにある言葉かも知れない。それほどに晴らしい立地にあるのが「ぎおん琢磨」。祇園・白川のせせらぎを間近に、秋は紅葉、春は桜と、耳にも目にも、京都の四季をしっとりと感じさせてくれる。店の入り口は新橋通りにあって、控えめで目立たないが、店に入って奥へ奥へと進むと、眼下に白川の小さなせせらぎが控えているというまことにもって京都らしい風情。鰻の寝床という言葉にぴっ
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新しい船はやはりいい

2012.01.07

大きい客船、小さい客船、大きさによる船旅の違いもさることながら、新しい客船もいいものである。タタミと何とか。新しいのが良いという諺があるが、それに客船も加えたい。何とかは年代がたつに従って良くなることもあるが、客船は新しいうちに乗っておくのにかぎる。「クイーンエリザベス2世号」に私は竣工した年の秋乗船したが、その後模様替えをして二つの公室がなくなってしまった。たいへん個性的な部屋で愛用していただけ
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